澤さんの教え

こんにちは！ロッソSC監督の千葉です。 
 
今日は澤さんに教えてもらった事を少し紹介 
 
したいと思います。 
 
皆さんご存知だと思いますが 
 
日本人で唯一バロンドール受賞した 
 
日本サッカー界のレジェンド澤穂希さんのことです。 
 
自分は2013年と2014年の2シーズン 
 
INAC神戸レオネッサのTOPチームGKコーチ 
 
として2年間お世話になりました。 
 
当時のINAC神戸はワールドカップ優勝、 
 
ロンドン五輪準優勝、ヤングなでしこフィーバー 
 
でホーム戦の観客が1万人を超えることもありまし 
 
た。在籍していた選手は澤さんを始め 
 
近賀さん、ナホさん、海堀さん、明日菜さん、、 
 
ワールドカップを優勝したメンバーが多く在籍 
 
していました。対して自分は指導者2年目の 
 
新米コーチでした。 
 
教えるキーパーはワールドカップ決勝でPKとめた 
 
海堀あゆみと 
 
ヤングなでしこJAPANでキーパーだった 
 
武仲麗依だぞ。 
 
どっちもバリバリの日本代表。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
大丈夫か？やれるのか？俺。 
 
 
 

でも、こんなチャンスないと思い 
 
当時所属していた吉備国際大学の監督 
 
現ヴェルディ小山コーチの 
 
中島耕平さんにINAC神戸行かせてください 
 
って泣きながら話しました。 
 
耕平さんにはめちゃくちゃお世話になったのに、 
 
1年で出るのが申し訳なくて。けど耕平さんは 
 
 
 
「良かったじゃん！」 
 
って言ってくれました。 
 
さすが岡山のマザーテレサ！ 
 
中型免許取ったらロッソの選手乗せて 
 
小山遠征行かせて下さい?‍♂️笑 
 
 
 
 
 
 
 
そこから最大限の準備をしてINAC神戸に 
 
入団しました。 
 
入団してからは足りてない自分を補うために 
 
毎日必死に生きました。 
 
選手の要求に応えるたびに 
 
できることが増えました。 
 
ともに成長させてもらいました。 
 
 
 

バルサの試合の次の日必ず1番に 
 
「千葉ちゃんバルサの試合映像ちょうだい」 
 
ってiPad持ってスタッフルーム入ってくる 
 
明日菜さんが懐かしいです。笑 
 
 
 
 
 
あっという間にプレシーズンを終え、リーグが開幕し、カップ戦に突入しました。 
 
 
 

カップ戦は順調に勝ち進み2013年 
 
最初のタイトルと掛けた決勝まで辿り着くことができました。 
 
場所はエディオンスタジアム広島 
 
相手は宮間あや選手率いる岡山湯郷Belle 
 
 
 
会場に到着し準備を終え、 
 
ミーティングの前に澤さんと森さん
(当時INAC神戸ヘッドコーチ現アルビレックス新潟U18コーチ) 
 
と雑談をしている時に 
 
自分に衝撃が走りました。 
 
 
 
森さんがふと、 
 
「今日は大事な試合ですねー」 
 
と言いました。とくに何も考えず言ったと 
 
思います。 
 

そしたら澤さんが 
 
 
 
 
 
 
 

「リョウタ、大事な試合なんてないよ。 
 
だって大事じゃない試合なんてないじゃん」 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
って言っていつも通りバナナを食べて 
 
いつも通り歯磨きをしていました。 
 
そこには普段と変わらない、落ち着いた、 
 
穏やかな澤さんがいました。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
高校の時基本スタメンじゃなくて、たまに 
 
訪れる公式戦の時は常に緊張と不安と責任 
 
を抱えてプレーしていました。全く楽しめて 
 
なかったです。数え切れないほど試合は 
 
しているのに。それはきっと目の前の試合 
 
に全力で、120%で戦えてない自分がいたからだと思います。 
 
そんなメンタリティー、パーソナリティー 
 
のフットボーラーはワールドカップの 
 
決勝で何も出来ずに泣くんだと思いました。 
 
いや、絶対にワールドカップの決勝まで 
 
進めないと思いました。 
 
 
 
 
 
ずっと自分の心に刻まれている言葉です。 
 
 
 
 
 
 
 
決勝戦は見事に勝利し自分の指導者人生で 
 
初めてのタイトルを取ることができました。 
 
 
 
そして、大会MVPはGKの海堀さんが獲得しました！ 
 
準決、決勝とビッグセーブを連発して 
 
チームを救ってくれた海堀さん。 
 
MVPをGKが獲得するってあまり 
 
ないから驚きと嬉しさで興奮を 
 
抑えられませんでした。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

今現在自分は小中学生の監督をしています。 
 
TOPのように結果至上主義ではないでの 
 
勝ち負けより、選手達の成長が最優先される 
 
立場ですが、目の前の試合に120%で挑む 
 
姿勢は澤さんの話を聞いたあの日から 
 
ずっと変わらず自分を動かす原動力となっています。 
 
 
 

澤さんと共にサッカーをした２年間は 
 
自分にとって自慢で、誇りで、 
 
宝物で、かけがえのない財産です。 
 
 
 
 
 

ロッソSC監督　千葉弘樹